関西・大阪のファームには東京のファームとは異なる点が多くあります。特に東京から大阪へオフィスを移る多くの人は、サポート体制や待遇、キャリアパスの違いに不安を抱くものです。そこで今回は関西・大阪と東京のコンサルはどう違うのか、よくある疑問・不安について詳しく解説します。
関西・大阪のコンサル事情
大阪はGDP(国内総生産)と人口の数がトップレベルの大都市であり、近年多くのファームが進出しています。関西オフィスを構えるファームにはアクセンチュアやマッキンゼーなど有名企業も含まれます。
以前まではデジタル投資をはじめとする成長投資が少なく、生産性や収益性が東京に比べて低いとされていました。
しかし大阪は東京に次ぐ大規模な経済圏を有しており、電気電子、グローバルなどの企業が密集しています。関西エリアに新規事業参入すれば大きく成長できる可能性が高いのです。
また関西には大阪大学や京都大学など旧帝国大学があり、教育水準が高いことで知られています。
優秀な人材の多くが関西に居住し続けているため、ファームは関西に進出することでより多くの一流社員を獲得できはずです。
課題があるとすれば、関西拠点のファームはまだ人材不足に悩んでいること。多くのファームが立ち上げフェーズにあり、チームを作るほどの人数も集まっていない状況です。
そのため同業企業が協力し合うプール制を採用しているファームも多いのが現状である点には注意しましょう。
関西・大阪は東京のコンサルよりフォローが手薄?
関西・大阪に進出するファームが増えているとはいえ「東京に比べてサポート体制や待遇が手薄では?」と不安視する人も多いです。
実際には多くの関西ファームが、まだ社員数が少ないからこそ、新人を手厚くフォローできる環境を整えています。新人1人に対して複数人でフォローするファームもあるほどです。
多くのファームが未経験者を採用しており、
「東京に比べてフォローが手薄」
というわけではないため、過度に心配する必要はないでしょう。
ただし研修に頼りすぎては、主体的にスキルを身に付けられません。
「即戦力になる」という気概を持って、プレゼンテーション力や英語力など、必要なスキルは自主的に磨いておくことが大切です。
また当然ですが、ファームごとに教育に対する体制は異なるため、研修制度については事前に確認を取るようにしましょう。
関西・大阪は東京のコンサルより給料が低い?
「関西・大阪のファームは東京より年収が低いのでは?」と心配する人がいます。
実際は年収体系にほとんど変わりはなく、オフィスの変化によって年収が下がる心配はないはずです。
むしろ立ち上げフェーズでは早期プロモーションも目指せます。プロジェクトに組織づくりから参画でき、マネージャーやパートナーも人数が少ない分、結果を出せば認めてもらいやすいのです。
ただ注意すべきなのは、自身を評価してくれたパートナークラスが東京にいる場合、立地的に昇進が難しくなる可能性がある点。
そのため成果を積極的にアピールして高い評価をもらうなどの努力は求められるかもしれません。
また一からクライアントを獲得する場合も積極的に相手へ働きかけ、気軽に相談してもらえる関係性を築くことが大切です。
関西・大阪では積極性・主体性がより求められることは意識しておきましょう。
関西・大阪は東京のコンサルよりスキルアップが大変では?
関西・大阪ファームは立ち上げフェーズのため、スキルアップが大変になると予想するのは未経験者なら当然のことです。
しかし実際は先ほども紹介した通り、関西ファームは人数が少ない分、新人教育には力を入れています。
2018年に関西へ進出したマッキンゼーも、有名ファームでありながらまだ人数が少なく、採用と教育に注力中です。
東京よりもむしろフォロー体制が手厚いファームが多いため、早期のスキルアップを目指せるでしょう。
関西・大阪は東京のコンサルよりキャリアパスが限られている?
関西・大阪のファームは組織づくりから取り組んでおり、トップの椅子が空いている場合があります。
東京オフィスではパートナーが多くいて、昇進が望めない場合もあるものです。一方同じ企業でも、大阪オフィスではパートナーの席が空いている可能性があります。
キャリアアップを図りやすい点で、関西・大阪では幅広いキャリアパスが期待できます。
積極的にスキルをアピールすることで、順調にキャリアを築くことが大切です。
関西・大阪と東京のクライアント&案件に違いは?
立ち上げフェーズの関西・大阪ファームでは、ゼロベースで戦略を立案できます。
全社員が協力し合い、新人であっても東京では経験できないトップクラスの案件に携わることも可能です。
当然、案件の難易度が高く、新人でありながら重い責任を担う必要がある点には注意しましょう。
また関西にはグローバルに展開する電子系企業や製薬系企業などの本社があります。つまりファームで扱う案件にも、海外戦略をはじめグローバル案件が多いのです。
海外企業とのM&A、外資系企業のERP導入などの案件は東京よりも豊富にあります。
グローバルに活躍したいのであれば関西進出も視野に入れた方が、東京にとどまるより有利となります。
別の言い方をすると、英語力を磨きグローバル案件に対応できるスキルを身に付ければ、関西でスムーズに転職できます。
英語力を継続的に高めつつ、自身の実績をアピールできる人材は、転職後もプロモーションしやすいはずです。
関西・大阪でコンサルとして活躍するために必要なこと
ここまで見てきた内容をもとに、関西・大阪でコンサルとして活躍するために必要なことをまとめていきます。
関西オフィスへの移籍や転職の可能性がある人は、以下の点を意識して行動しましょう。
年収やキャリアパスは東京と同等だがプロモーションを目指すなら積極的なアピールが必要
ゼロベースでプロジェクトに関われるが新人でも重い責任を担うことになる
グローバル案件が豊富なため英語力を磨くことが大切
東京よりサポート体制が手薄ということはなく、むしろ手厚く教育してもらえるため安心してください。
ただし受け身になるのではなく、自身で磨けるスキルはしっかり磨いておくことが大切です。特にグローバル案件が多いため、英語力がある人や海外案件の経験者は採用で有利となります。
また関西ではまだまだコンサルティングの導入をためらう企業も多いのが現状です。多くのファームが立ち上げフェーズだからこそ、クライアント側が依頼に不安を抱くのは当然。クライアントの信頼を獲得するためには「クライアントのために尽くし続ける」という気概が求められます。その意味では、関西・大阪ファームで活躍するためにもっとも必要な要素は「人たらし」であることでしょう。
クライアントの懐深くに入り込み、課題を解決できることをアピールし、好感を持ってもらう必要があります。
立ち上げフェーズのファームで活躍するには、スキルアップに注力しながら、相手から信頼される人柄を磨くことが重要なのです。
今回の記事では、関西(大阪)と東京でのコンサルの違いをご紹介しました。キャリアでお悩みの方はぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。